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研修医・病院勤務医へ朗報、夜勤明けの休労義務法制整う。



研修医・病院勤務医へ朗報、夜勤明けの休労義務法制整う。

タタミ、キモノと同様に、カロウシ(過労死)という和製フランス語が、通じるようになってから久しいが、フランスでも、インターン研修医・病院勤務医(特に救急室勤務)の、劣悪な労働条件は、言わば、優秀な臨床医となる過程での試練として、踏襲されてきた。

この度、厚生大臣ベルナール・クシュネー(MD,国境なき医師団の創始者)により、夜勤当直をした医師への休労の義務が法制化された。本法は、2003年10月1日より施行される。

これによれば、
1. 病院内で、夜勤当直を行った全ての医師への11時間連続の休労の義務
2. 麻酔・蘇生・産・救急科での、「継続的」夜間診療を行った場合は、11時間完全休労、
3. その他の科の診療を行った場合は、患者とのコンタクトのある臨床行為の11時間休労、
4. 病院内での夜勤当直は、週1回まで、日曜・祝日は月1回まで、
5. 病院外(自宅等でビーパー携帯)での夜勤待機は、週3回まで、日曜・祝日は月2回まで
を義務化した。

また、報酬は、
1. 病院内夜勤当直1回は、233.09ユーロ、または日勤1日の休みに等しい。
2. 病院外夜勤待機1回は、35.83ユーロ、または日勤半日の休みに等しい。
3. 副・病院外夜勤待機5回は、日勤半日の休みまたは、各回23.48ユーロに等しい。

本法は、絶対厳守されるべきものではあるが、やむを得ぬ必要に応じて、「柔軟な」体制をとる事態が生じた場合は、「医師の同意を明文化する」事が義務付けられている。

本法が施行される事により、地方の小・中規模病院では、深刻な人員不足が予想される。
この為、施行を2年後とし、時間的猶予を与え、その間に地域病院機構(ARH)は、地理的に近い複数の病院間での、当直医師の共有プール・ネットワークを構成する事も、補足条項に組み込まれている。