トピックス

統計にみるフランスにおける後期高齢者医療



統計にみるフランスにおける後期高齢者医療

2008年1月1日現在のフランスの65歳以上後期高齢者人口は、1021万2150人であり、対総人口比約20%を占める。

年齢に関わらず、現行の自己負担(原則3割)の他に、一人当たり年間医療費の50ユーロまでは、公的保険からの償還免責とする新法が、今年1月1日より施行となった。日本と比べ、子らと同居する習慣の無いフランスにおいては、後期高齢者への医療提供体制は、重要な政策課題とされている。十分な入所施設が確保できないままに在院日数短縮化政策が進められ、医療費支出の比重を、在宅支援に切り替える施策がとられている。

2006年、60歳以上の死亡数43万6071名の内、医療機関での死亡がその大半を占める中、自宅での死亡者数は11万4427名と約1/4を占めている。

表1. 高齢者死亡場所

2006年
65-74歳
75-84歳
85歳以上
60歳以上全体
自宅
(その他の個人宅含む)
18458
38755
50437
114427
公立病院
40807
82450
79630
216484
私立病院
8672
14949
10564
37201
ホスピスまたは高齢者入所施設
2612
13581
36353
52996
公的スペース
1066
1021
312
2916
その他
2245
4167
4723
12047
合計
73860
154923
182019
436071

対象:フランス本土死亡者
出典:INSEE, 死亡届け


表2. 65歳以上死亡原因

2006年
65-74歳
75-84歳
85-94歳
95歳以上
合計
循環器系疾患
19320
52446
49512
11933
147323
内:心筋梗塞
6494
15015
11645
2343
40656
脳内出血性疾患
4252
12852
11250
2348
33487
悪性腫瘍
37467
48859
20261
2546
152708
内:肺
8049
7167
1538
118
28392
  リンパ
2911
4656
1953
203
12319
  直腸
2774
4728
2299
327
12257
呼吸器系疾患
3911
10531
10433
3006
30286
内 :肺炎
746
2880
4020
1285
9499
外傷性死
3972
7334
6546
1701
37428
内:転倒
637
1609
1694
451
5354
  自殺
1188
1210
440
41
10797
神経性疾患
2858
9204
7283
1158
23408
消化器系疾患
4017
6452
4932
1040
22905
内分泌系疾患
2941
6507
5523
1513
18856
その他
7787
20141
23550
8336
76494
合計
82273
161474
128040
31233
509408

対象:フランス本土
出典:INSERM

現在、政府は、更に、在宅ケモ、在宅看取りを活動の中心とする「Hospitaloisation a Domicile =在宅入院」を、進めている。果たして、日本語の「最期は、住み慣れた家の畳の上で。」と言うニュアンスは、フランスでもトランスレーション可能であろうか。


フランス駐在研究員 奥田七峰子