フランスの医療制度の特徴は、従来、皆国民健康保険の原則のもとに、@患者の医師及び医療機関の選択の自由、A医師の収入は診療報酬の出来高払い、B病院勤務医師と自由開業医の二形態があり、いずれへのアクセスも自由であることなど、医療活動の制限が大変少なかった。

そこで政府は、2004年8月13日法により「かかりつけ医制度」を制定、イギリスのゲート・キーパー制度を改良輸入し、患者のドクターショッピング、これに起因する重複処方・検査をコントロールする事に成功した。

現在のフランス公的医療保険(一般制度)による医療費の償還率は、医師の診察料の70%、看護婦・リハビリ技師・矯正士による治療費の60%、また採血・画像診断等の臨床検査は60%、眼鏡レンズは65%、歯科治療に関しては一般的な治療が70%、義歯・セラミック・冠歯治療に関しては患者の加入している疾病金庫へ治療事前申請を行い、認可を受ける必要がある。入院医療費用に関しては基本的には80%と言われているが、長期入院および疾患による自己負担免責措置が非常に多くなっている。医薬完全分業のため、外来処方はなく、患者は医師の処方箋を持って薬局で薬剤を購入するが、薬剤費償還率は100,65,35,0%となっている。但し、これらは全てセクター1の保険協定医により処方され、協定医療機関を利用した場合の償還率で、混合診療を行うセクター2の可超過報酬協定医の場合、保険協定料金を超過した分は自己負担となる。セクター3という非保険協定医の場合は、公的保険償還は皆無に等しい。上記のように協定料金以上を請求できる医師や医療機関が数多く存在する等自己負担分があるため、公的疾病保険だけでは十分とは言えず、私立の共済保険に加入する者が多い。

薬剤費に関しては、薬価が低いにも関わらず、総医療費予算の実に2割弱を占め、ヨーロッパ第一位の消費大国となっており、医療政策の焦点として、その分析解明、薬効による償還率の変更が急がれている。 また、鎮痛剤、酔い止め等の医師の処方箋の必要ない薬剤に関しても調剤薬局での購入ルートしか存在せず、他のヨーロッパ諸国のような雑貨屋、スーパー、ドラッグ・ストア等でのユーザーフレンドリーな購入方法は認められていない。