フランスの医学部教育


フランスの高校生にとって日本の大学受験に値する、バカロレア(大学入学資格試験)取得後、大学医学部でまず第一サイクルと呼ばれる、最初の二年間(日本の医学部教養過程に等しい。)を修めます。
二度の再受験を認められていない、この課程の第一学年目を修了し第二学年に進級する事は大変難しく、その倍率は、1/10から1/20とも言われています。

次により専門的な医学教育を四年間修めます。この直後にインターン試験を受け、更にその後、前述試験成績順に、GPには二年半のレジデント実習、専門医希望者には四年間のインターン実習が待っています。従って、晴れて一人前の医師となる為に、フランスでは、卒後教育を含めて少なくとも八年間以上の専門教育が必要な訳です。
尚、この医学教育システムは、2005年より大きく改革される事が、既に、決定、2001年に厚生省・文部省共通省令で法制化されました。改革の目玉は、GP一般医制度を廃止、内科専門医として、専門科に格上げされます。フランスで遅れていた、ファミリー・メディシンの重要性が、やっと制度上でも認められた結果と言える大きな改革です。

インターンおよびレジデントの期間のカリキュラムは、六ヶ月毎にローテーションで動く事が決められていますが、その内の一単位は町の開業医の所で研修する事が必須となっています。(協力する開業医には、指導教官報酬が支払われます。)またこの期間の資格と所属は、医学生ではなく、医師として実習をする病院の職員として、病院から報酬として給与を得ます。初任給は約7,500フランと、決して高給ではありません。