フランスの薬剤師、薬学教育システム


フランスには、59,000人の薬剤師が存在し、2,2500件の調剤薬局が在る。薬剤師の就労形態を見ると、ほぼ半数の46%が調剤薬局薬剤師であり、病院薬剤師は僅か6,5%のみとなっている。その他で、製薬企業薬剤師が圧倒的多数を占め、研究所、臨床検査ラボ薬剤師などがある。
薬剤師になるためには、町の開業調剤薬局薬剤師と、研究・教育・臨床を行う公立病院薬剤師とでは、その履修年数も大きく異なり、卒前・卒後教育期間は前者が6年間、または後者が9年間である。

薬学部教育サイクル
第1サイクル課程: 期間2年間、第一学年修了時、選抜コンクールがあり、この厳しい振り分けコンクールにパスした者(進級許可学生数は、毎年、政府により定員数が決められる。2000年の受験者は、9,000人、定員数は、2,250人であった。であった。)にのみ、第二学年進級が認められる。認められたものは、町の調剤薬局で2ヶ月間の実習が義務とされている。

第2サイクル課程:期間2年間、理論のほかに、調剤準備等の実技実習が開始されるこの課程で次の第3サイクル課程への進路方向を定め、科目を選択する必要があり、この後、第5学年進級の前に、インターン国家選抜コンクールを受験し、進路を決める。

第3サイクル:進路により、ロング・サイクル(4年)と、ショート・サイクル(1年)に分かれる。第5学年AHU(Annee Hospitalo-Universitaire)は、両サイクル選択学生ともに共通で、ハーフタイムの大学病院勤務がある。ショート・サイクル選択者は、この後、第6学年で調剤薬局・産業薬剤師課程を修了後、ドクトラ論文を書き、薬剤師国家免許を取得する。ロング・サイクル選択者は、更に4年間の第3サイクルを経て、論文を書き、専門薬剤師国家免許を取得する。大学薬剤師、公立病院薬剤師、研究所薬剤師には、こちらの免許が必要となる。

病院薬剤師配置数は、床数ごとに薬剤師最低定員数がフランス公衆衛生法第5091条で定められている。